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前回紹介した超強力コンピ「Come Out And Play」を作ったのが香港インディーのキーのひとつ、89268というレーベルです。レーベルといっても個人的なものが多い香港の中で、ここはCDを発行するだけでなく、アーティストのマネジメントも行い、旺角で「the
PANIC」というCD店を経営していたりと、3本の柱をバランス良く持ってしっかりとした活動をしているようです。第6回で取り上げたinLoveもここの所属。
まずCD店についてですが、お店の写真を見ると香港インディーのCDがひととおり置いてあるのはもちろん、「うおっCherry Orchardがある!」ってな具合に欧米のギターポップの見覚えのあるジャケがいろいろ。さらに日本からも、名古屋のギターポップレーベルabcdefg*recordのCDや、お洒落ユニットinstant
cafe recordsなんかが置いてあったり。実際、雑誌「DAZED & CONFUSED JAPAN」2003年12月号の香港カルチャー特集に89268オーナーのインタビューが載ってるんですが、日本のレーベルの運営方法やスタイルも参考にしていてabcdefgとicrがお気に入りと語っています。(この香港特集、他にもFalse
Alarmと在草地上(第4回参照)が紹介されていて面白いです。)
所属アーティストとしてはinLoveの他に、面白い声でポップな假音人 Gayamyan、センスあるメロディーの黄湛熙 Hei
Wongなど計7組。はっきりいって音楽性バラバラというか広すぎ。前述インタビューでの「僕らにとって音楽性は重要じゃないんだ。ポイントはコミュニケーションがしっかり取れるかどうか。」という発言が象徴的ですね。そんななかで期待できそうなのが、コーネリアスの曲から名前をつけたというStarfruit。コンピ「Come
Out And Play」では、しゃれたアコーディオンと静かにひびく音響の組み合わせで美しい曲を奏でていました。はやくCD出して欲しいです。
レーベルとしては所属アーティストのCDを中心に、他のインディーアーティストのCDも発行。壞碑唇のシングル「SUMMER」や、自然捲のアルバムの香港盤を出したのもココ。コンピも「Come
Out And Play」の他に3枚出していて、私が入手できたのが「no war : peace on earth」という2003年の作品。やはりかっこいいStarfruitや、少年ナイフ香港版みたいな拾豆豆
Dzap Dau Dauなど面白いアーティストがいくつかあるなか、アコースティックギターのループの上に多重録音を重ねて浮遊感のある曲を作り上げた、若い男女2人組Pixel
Toyがあまりにも素晴らしくてすぐにファンになってしまいました。彼らは人山人海 People Mountain People Sea
という香港インディー最大の製作集団から2005年春にアルバムを出す予定ですので、その頃またちゃんと取り上げようと思ってます。
さてこのレーベル、2000年ごろある女性アーチストのオリジナルグッズの販売をしたのが活動の最初だそうで、そのとき使っていた私書箱の番号89268をそのままレーベル名にしたのだとか。その女性アーティストが有耳非文
Arumimihifumi。現地メジャーのCinepolyから2枚のアルバム「亂交叉來」「打狗女郎」を出していて、2002年にはFMラジオ商業電台の賞でグループ部門銅賞を獲っていたりと、知名度はけっこうあるようです。2003年元日発売の3rdアルバム「叱咤女皇
legendary queen」は89268からの発売で、私が持っているのもコレ。いまのところ最新のこのアルバム、20分位と短いんですけどムチャクチャ良いんですよ!どんなかんじに良いかっていうと、簡単にいえば「香港のカヒミカリィ」(笑)。もろカヒミ声のウィスパーボイスなんで、日本でもすごく受けそうです。しかもバックトラックがさらにかっこ良くて。「元氣飯團(元気おにぎり)」って曲なんか一見かわいくて超ポップな曲なんだけど、ベースの進行がかなりジャズだったり、アレンジの展開も多くて色んな音が効果的に使われてたり。他にもスパイ映画+レトロ歌謡みたいな曲や、カヒミの曲にありそうな暗めのフレンチ風があったりとバラエティに富んでいます。作編曲しているのは梁基爵
Keith leungという人で、この人も人山人海のメンバーですね。同じく彼と組んだ前2作もエセフレンチで良いらしいので、現在いちばん探しているCDなのですが手に入りません。誰か持ってたら売って下さい(笑)。
彼女は香港で活動していますが、出身は台湾の高雄。香港には演劇の舞台管理を学ぶために来たので、本業はそちら。自身の劇団「有耳非文蟲仔竇
Arumimihifumi Bugsbox」も主宰していて、日本の劇団で客演したこともあるようですね。ちなみに有耳非文という芸名は、本名の高郁斐の名前部分をばらしてつけたとのこと(耳の部分が強引ですが・笑)。Arumimihifumiと日本語読みするのは、お母さんが日本人だからでしょう。
このアルバム、ジャケットの絵も常人には出せないような色づかいと絵柄で、かな
り気に入っています。
89268 HP【http://www.89268.com/】
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