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やったー、ようやくMoccaが紹介できます!アジアのインディーを探してて衝撃を受けたことのひとつが、インドネシアにもギターポップバンドがいっぱいいるっていう事実ですからね。しかもスウェーデン直系の涼しげなものばかり。なんであんな暑い国で北欧(笑)。今回と次回はインドネシア篇、当連載の山場にして仕込みもバッチリ、気合いを入れてお送りいたします。
とにかく1stアルバム「My Diary」を聞いたときには驚きました。スウェディッシュポップの最高の時期が戻ってきたかのような甘くてさわやかなメロディー、ギターとコーラスの美しい響き、要所要所で流れるフルートの音色と、どれも完璧。特にいくつかある3拍子の曲の気持ちよさはただごとではありません。そうかと思えばスウィングジャズにスウィートな曲といったさまざまな要素も取り入れていて、しかもリズムやスピードの変化がすばらしく巧み。よく聞けばコードづかいや転調なんかも渋くて、けっこうまっとうな音楽教育を受けてるっぽい風格のあるアレンジです。うまーい。
さらにArinaの伸びのあるボーカルがすばらしくて。かわいい声質はギターポップにぴったりなうえ、安定感があります。よくヨーロッパあたりの映画女優が余技で歌ってるけど、そこらの歌手よりよっぽど粋で魅力的みたいなのってあるでしょう。あんなかんじの余裕のある雰囲気。
さらにさらに。曲の気持ちよさに気を取られて私も半年以上気づかなかったのですが(笑)、歌詞がまた構想からしてすごい。実はこのアルバム、1曲目かラストまでひとつのストーリーになっているんですよ。ひとりの女の子がひそかに男の子に思いを寄せるところから始まり、ついに恋人同士になり、すれちがい、ふられ、その別れを受け入れるまでを、日記のようにつづった物語に。だから「My
Diary」で、ジャケットも日記型になっているわけです(しおりまで付いてる)。「物語のサウンドトラック」を作るというコンセプトのもと、ストーリーに応じていろいろな曲調にしているのだそう。1枚通して聞くと、映画を見終わった後のような余韻があります。悲しい場面をわざとポップにするなど微妙にずらしているところなんか、じっくり聞くといっそう深みがありますね。すげー。歌詞にはやはり相当自信があるようで、すべて英語詞にした理由のひとつも、自分たちの音楽が世界に出て行ってほしいからだということです。
それではMoccaのプロフィール。もともとは1997年にArina Ephipania(vo,fl)とRiko Prayitno(g)の2人が、大学のバンドで出会ったのがはじまり。別の人の曲に飽きたらず自分達で作曲するようになり「My
Diary」に入っている4曲を作るが、他のメンバーに理解されず(流行と全く違うことやってんだから、そりゃそうなるよなぁ)結局バンドは解散。しばらく2人で試行錯誤したのち、99年末にやはり同じ大学の同学年だったTomaことAchmad
Pratama(b)とIndra Massad(dr)を誘って結成。ただしMoccaという名前は2001年に大学で初ライブをする直前に付けたとのこと。誰でも覚えられるかんたんで短い名前ってことですが、かなり適当につけたもよう(笑)。メンバー4人ともデザイン専攻で、どこの国でも新しい音楽をはじめるのはデザイン系の人が多いのに変わりないですね。
その後地元バンドゥンのインディーレーベルFFWD (Fast Forward) Recordsと契約、2002年12月に初のアルバム「My
Diary」を発売。これだけのクオリティーですから、インディーとしては異例の売り上げを記録。AMI(インドネシア音楽賞)最優秀新人賞や、MTV
Asia Awardにノミネートされるなど、評価も高いです。
そして2004年9月には2ndアルバム「Friends」を完成。1stではまだまだできなかったサウンド面での理想が、この2ndではかなり達成できたと自ら語るとおり、格段にクオリティーがアップ。ギターポップだの何だのの小さい枠には収まりきらない堂々たる作品になっています。「This
Conversation」「Swing it Bob」の2曲なんか、ビッグバンドホーンズも壮大で、まるっきりハリウッド黄金期のミュージカルですよ。この曲のために、インドネシアのフランク・シナトラ的ベテランクルーナー歌手をフィーチャー。他にも50〜60年代アメリカ製ホームドラマにかかってそうなオールディーズな曲やらソフトな曲やら、あんたらいくつだ?って言いたくなるような古き良き時代のポップソングが次々と。泣けるほど良い多重コーラスや今回の中心となったホーンズ、ストリングスまで使いこなしたアレンジはArinaが主にやっているのだけれど、彼女は本気ですごい。もちろんスウェディッシュ風味も健在で、今回はClub8のKarolinaとも共演。おまけにArinaの愛犬Zeusまで参加しちゃってます。
2ndアルバム「Frends」は、apple crumbleのレーベルRosemary Recordsから日本盤が発売される予定。彼らのすばらしさは聞けば一発でわかりますから、いまから期待しといてください。その前に、世界中のギターポップを集めた超強力3枚組コンピ「Pop
Renaissance」(excellent.records)に1曲参加しているのも忘れちゃいけません。Moccaの海外進出の目標も、これで一歩前進です。
Mocca HP【http://www.mymocca.com/】
FFWD Records HP 【http://www.ffwdrecords.com/】
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